日本人の戦う姿勢が感じられない

東京大学の松尾豊特任准教授によると、「日本は米国や中国に比べ、日本はAI開発で遅れている。日本がこの競争に負けそうな理由は、1990年代に日本がインターネットで世界に負けた理由と似ている。」としている。その理由とは日本は“技術の取り入れ方が非常に遅い点”、もう一つは“若い人が力を持っていない点”を挙げている。これは日本における医療でのAI開発でも同様である。松尾氏はさらに「資本主義の弱肉強食のルールが当たり前の世界で、日本人の戦う姿勢が感じられない。日本人が持つ危機感のなさが問題だとしている。AIに関しては、大企業の上層部も国全体も、もっと技術を勉強した方が良い。中国は全員が試験勉強中のような状態である。AIを理解している研究者や技術者と、よく分かっていない官僚、経営者、管理職という分断が起きている。今の日本を取り巻く状況を考えると、きちんとアービトラージ(裁定取引、サヤ取り)のゲームをすべきだ。日本は情報技術分野については後進国化しつつあって、基本的には単独で問題解決できない構造になっている。行政の政策や大企業の動きの遅さに対する不満を述べるより、若手は自ら行動すべき。15年くらい前からビジネスの世界で勝った企業がアカデミックの世界でも勝つという因果関係になってきている。ビジネスで勝った企業が、良い人を集め、良い論文を出している。この20年間で、日本の技術者は自信を失っている。成功体験をしていないので、新しい技術を見た際に、これを使って大きな事業を起こそうとする発想が湧いていない。」などとかなり手厳しい批判を行っている。

参考) なぜ日本は人工知能研究で世界に勝てないか 東大・松尾豊さんが語る“根本的な原因” (1/4) – ITmedia NEWS より抜粋してまとめた。